日本経済は人手不足の様相が急速に強まり、財・サービス市場、労働市場、資本市場といずれの市場も価格が上昇に転じ始めています。
そんななかで企業は行動変化が急速に求められていると思います。過去のレジームで経営を考える中小企業は、業界問わず容赦なく市場から淘汰されている時代です。
過去大手とされていた変化のない企業も、M&Aや経営統合される背景をここ最近たくさん目にすることで、現在の会社にはとても危機感を感じているわけです。

医療福祉介護の業界は、いわゆるお金儲けという考え方を嫌う傾向にあります。
介護職の中には、介護事業を“ビジネス”ととらえることへの違和感を語る人がいます。お金の話を嫌がり、「介護で金儲けをする気はない」という人もいます。
しかし一方で、多くの介護職からは、「処遇を改善してほしい」「給与が低すぎて仕事を続けたくても続けられない」というお金にまつわる声が聞かれます。
安定した事業の運営と職員の処遇改善を可能にするだけのお金を稼ぎ、儲けることは、“利益の追求に走る金儲け”とは違います。
長い間業界に染みついた“ボランティア精神”は現在の世の中の足枷になっていることは言うまでもありません。
私の会社も同様です。今の会社で私が共感・よき理解者と認識していた上司は、この3年間ですでに4名退職しています。
その方たちはみな、『社内改革』に着手した人たちです。
世の中の情勢や競合他社、市場を加味しながら企業の組織や制度、業務、働き方などを改革することで、冒頭に述べた企業の5年10年先の成長や競争力を高める取り組みは必ず必要です。
ただ、社員の多く、特に長期在籍の中間管理職は変化を本当に嫌っています。
よく“新たな取り組みへチャレンジ”や“多様な考え方の尊重”というフレーズが出てくるのですが、机上の空論で終わることばかりです。
結果、アンチに負けて退職してしまっている深い闇があるわけです。

自社の将来には不安を感じます。
おそらく企業は私たち雇用者を守れないことも理解しています。私たちは最悪の事態に備え、我が身は自分で守らなければいけない時代になります。
また、このような変化を嫌う大きな闇は、介護業界全体で往々にして行われている問題だと認識しています。
2000年に施行された介護保険法により、介護に対する想いの強い方が事業開始しました。時は流れ、国の報酬も下がり始め、経営者も雇用者も高齢化、新たな人手不足やICT導入に対する時代変化には保険事業ありきのビジネス経営だとアジャストしていけず、結果統合や買収、廃業に追い込まれてしまっているデータがあるからです。
団塊世代が75歳以上となる今年、『介護2025年問題』をふまえて、本当に今のままでいいのか自問自答する日々が続いています。
最後にオシムさんの言葉を一つ載せておきます。

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