言葉には、人間を変える力がある。
運命を切り開く力がある。
人生という道に迷い、暗闇の中で行き先を見失ったとき、闇を照らす一筋の光明を人は言葉に求める。
これはかつて、ジェフ市原やサッカー日本代表監督を務められたイビチャ・オシムさんの言葉です。

オシムさんは日本サッカー界に確かな実績とともに、“オシム語録”と呼ばれるユニークかつメッセージ性の高い言葉の数々を残されてきました。
現在、自分自身と色々向き合っている最中、この本を読み返してみました。

日本人は他人を過大評価する傾向があるとオシムさんは言いました。
2000年代の日本サッカーは海外プレイヤーも極わずかで、いわゆるテレビで見るビッグクラブやスタープレイヤーとの試合となると浮き足だっているように見えた時期です。
過度の敬意を払うことなく、また見下すこともなく相手を正しく評価する。
また自分自身の価値や才能がどれだけあるのか、どんな才能や能力が欠けているのか。
それこそがリアリスト(=現実主義者)であり、リアリストになれば自分自身を信じることができる。何ができるかを正確に理解することで自分を見失わずにすむ。という教えです。
確かに近年の日本代表選手は海外クラブでの経験による物差しで、“ネームバリュー”や“市場価値”に捉われず、どんなに有名選手であっても、あくまで一人のプレイヤーとして対戦しているように見えます。
それが例え、メッシであったとしても。
会社員にとっても、上司や先輩に対するリスペクトは必要ですが、必ずその人の意見が正解であるかはわかりません。
転職や今までの実績などにより自身の能力や才能が、上司や先輩より優れていることも必ずあります。
オシムさんはこうゆう発言もされました。
いい仕事をするためには、誰かいい相棒を見つける必要がある。
何人かでアイデアを出し合えば、ひとりよりももっといいアイデアが出てくる。
私は10年以上の付き合いのある前職の同期がいます。
ともに営業として、リーダーとして、切磋琢磨してきました。
互いに転職や部署異動による経験値が高まり、今は互いに認め合える関係性にあります。
リアリストとして自己分析をする上で、互いの能力や強みを理解することが、いい仕事をすることに必要不可欠であることは言うまでもありません。
根拠のない自信は必要。
最悪を考えるリスクヘッジも必要。
踏み出す勇気も必要。
止まる勇気も必要。
自己と他者を客観的に評価できる、また評価される人間になりたいと思う今日この頃。
ii-mon©️